「カッコウはコンピュータに卵を産む」

公開:2024/11/20
カテゴリ:書籍
著者:鈴木一哉
「カッコウはコンピュータに卵を産む」のイメージ

Column

コラム

これだけ書くと一体何が何やら分からないと思います。 これ、1989年(日本語訳は1991年)に出版されたノンフィクションの題名です。
著者はクリフォード・ストール(当時、アメリカのバークレー研究所のサーバ管理者)。
インターネットが一般に普及する前の時代、アメリカのARPAnetなどが大学や研究機関のサーバを接続していた時代の実話です。
当時、サーバは非常に高価であったので、共同で利用することが一般的でした。利用者が利用した時間分だけ料金を払う仕組みです。
サーバ管理者の著者が1ドルに満たないサーバ利用費の誤差を見つけ、その原因を探っていくうちに国際的ハッカーの仕業であることを見つけます。
1980年代後半、国境を越えてハッキングを繰り返すハッカーに対応できる法、仕組み、組織が無く著者は自力でFBI,CIA,軍などと交渉してハッカーを追い詰めていくという話です。
ハッカーは当時のKGBに雇われ、米軍などにも侵入し情報を取得するというスパイ活動をしており、その後、逮捕されました。

当時は見たこともない大規模なネットワークの話やサーバの話が非常に面白く、サーバを触ってみたいと思い始めました。
これが現在の弊社事業の一つであるインフラ系に興味を持つきっかけになり、また、セキュリティという分野があることを知りました。

その頃、日本ではニフティサーブやPC-VANというパソコン通信が始まっており、私もPC-9801EX2にモデムを繋ぎ、ニフティサーブに加入し、いくつかのフォーラムに参加していました。
モデムはたぶん2,400bps程度だったと思います。今の光回線と比べると途轍もない遅さですが、テキストだけのやり取りでしたので十分と言えば十分。
あるフォーラムでは、頻繁にオフ会(飲み会)を開催しており、私も関東に散らばるメンバーを集めて当時の牛久シャトー(茨城県)でバーベキューオフ会を主催したことがあります。

こうやって見ると通信速度やコンピュータの処理速度は飛躍的に進歩しましたが、セキュリティ的な面ではまだまだかと思います。
最近でもランサムウェアによる被害などが多く発生しています。
黎明期のネットワークからハッカーは存在し、今も更にパワーアップして暗躍しており、コンピュータ技術に関わる者として悲しくなります。
ハッキングする技術があるならその技術を良いことに生かせばいい。
コンピュータやネットワークをそんな犯罪に使うな!と強く思います。

オムニブレイン 代表 鈴木一哉

「カッコウはコンピュータに卵を産む」は上下巻あり、現在は文庫本になっているようです。
私は30年以上に渡り、何回も読み返しています。幾度の引越しや断捨離にも耐え、私の手元には今もハードカバーの単行本があります。

カッコウはコンピュータに卵を産む(上) (草思社)

カッコウはコンピュータに卵を産む(下) (草思社)

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